最近観た映画その1
先日、恵比寿の写真美術館で「102歳×2 笹本恒子 むのたけじ」というドキュメンタリー映画を観てきました。
笹本さんは90代の時に,現役カメラマンとしてとても話題になりました。
また日本で初めての女性報道カメラマンでもあります。
今は102歳で現役、見た目もお若く笑顔が素敵な女性です。
芯の相当な強さも伺えますし、約100年の軌跡をはっきりと刻まれているでしょう。
むのさんは戦後に新聞社に見切りをつけ、生まれ育った秋田にてご自分で週刊新聞を発行されていたジャーナリストです。
自由に発言が出来ること、平和であることを願い、ご自身のジャーナリストとしての役割を全うされました。
101歳で死去されましたが、100歳の時でもとても頭脳明晰でいらっしゃったようです。
この映画でお二人の生き様のようなものを感じ、自由、平和である権利の尊さを考えさせられました。強い言葉で訴えるのではなく、とても自然に穏やかに伝わってきました。
次に「ローマ法王になる日まで」
現ローマ法王、ホルヘ・ベルゴリオ枢機卿の半生を描いた映画です。
私は全くローマ法王に関しては興味も知識もなかったのですが、とても感動しました。
主人公は2004年に公開されたチェ・ゲバラの南米旅行日記「モーターサイクルダイアリーズ」に出演していたチェの先輩のアルベルト役のロドリゴ・デ・ラ・セルナがベルゴリオ役でした。彼を見て、以前の役が青年役だったので時の流れを感じました。
また、素晴らしい演技力に感動!
アルゼンチンの軍事政権下での困難な時代に、不当な圧力、友人の死などの苦難を経験して、より信仰に対し深く強固になっていく様子や人としての弱さも描かれています。
この映画で一番心に深く刺さったのは
マリア様が人生でのいろんな苦悩の結び目を解いてくださる、という教会での場面。
「結び目を解くマリア」の絵というのも私は知らなかったのですが、人にはいろんな苦悩の結び目がありますよね。
それを優しくマリア様が解いてくださると思うと、心が癒されます。
歳を重ねていくうちに一杯できた結び目が、どこかの折り返し地点でどんどん解けていくような気がします。
弱者に寄り添う方が法王という地位につくんだと、これを観て少し希望が持てました。